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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科28巻2号

1974年02月発行

特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その2)

講演 学会原著

網膜血管閉塞症における線溶能と線溶酵素療法

著者: 小沢勝子1 種田光成1 古田節子1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.227 - P.247

文献概要

緒言
 網膜血管閉塞症は浮腫や出血を起こして高度の視力障害を生ずることが多いため,早期に適確な治療を行なうことが必要である。網膜血管閉塞の原因の多くは血栓形成1)であるといわれ,この観点から近年抗凝固剤や線維素溶解酵素剤が使用されている。一たん発生した血栓を溶解する目的からすれば,なるべく早い時期に線維素溶解酵素剤を使用することが理想的である。著者らは,線維素溶解酵素賦活剤であるurokinaseを眼局所へ早期に大量投与したいという意図のもとに連日球後注射した。その結果視力,網膜循環動態の著明な改善,浮腫や出血の吸収を認めたので報告する。網膜血管閉塞症の成因を考える上から本症患者の血中凝固能および線溶能を知ることは重要であり,本症患者のurokinase使用前後の線溶能も検索した。また本症が比較的高齢者に発症して高血圧や動脈硬化症を有することが多いので,網膜血管閉塞症を有しない高血圧者103名の網膜血管の硬化度と血中凝固能および線溶能を検査した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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