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特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 講演 学会原著
糖尿病性網膜症に対する網膜光凝固療法の効果と限界について
著者: 福田雅俊1 田村正1 田村正昭1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院眼科
ページ範囲:P.325 - P.335
文献購入ページに移動糖尿病性網膜症(以下網膜症と略す)に対する網膜光凝固療法(以下光凝固と略す)の効果は今日もはや疑うべくもないが,これが病理に適つた根治療法でないことも事実であり,すでに多くの再増悪例が経験されている。他方光凝固そのものの害も,注目されつつあり,この新しい有力な治療法も一時の爆発的流行からようやくその反省期に入り,適応症例の厳選と,必要最少限の凝固量の決定とが目下の課題となりつつある。
著者ら1)は,先に網膜症に対する光凝固療法の適応は増殖型網膜症の早期のものにあると述べ,さらにその早期発見法としての螢光造影検査の有用性を強調してきたが2)3),今回はさらに凝固後の再増悪時期とその原因につき検討し,臨床上注目すべき成績を得たので報告したい。
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