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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科28巻3号

1974年03月発行

文献概要

特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 講演 学会原著

カタプレサン点眼の緑内障に対する作用

著者: 小口昌美1 清水暢夫1 水谷由紀夫1 清水由規1 細田淳雄1 大貫善信1 井関源太1

所属機関: 1日本医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.337 - P.343

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緒言
 緑内障の薬物療法として,従来より眼圧降下剤としては,全身使用による薬剤では炭酸脱水素酵素抑制剤(ダイアモックス,ダラナイド等),高張滲透圧溶液(ウレア,マニトール,グリセロール等)等が知られている。しかしながら,これらの薬剤は高眼圧を一時的に降下させるにはその目的を十分に果してくれるが,長期使用に対しては種々の副作用の出現により,その使用を困難にすることが多い。一方,点眼薬としてはピロカルピン,エゼリン,またさらに強力な縮瞳剤としてDFP,フォスホリンアイオダイド,アーミナン等が多く使用されている。これらは縮瞳剤と名の付くごとく縮瞳作用が存在する。時に強力な縮瞳剤では逆説的眼圧上昇が起こり急激な眼圧上昇をきたすことがあるという。また,視野の暗黒化や調節力の変化等の副作用が知られている。また,虹彩炎による続発性緑内障には一般に縮瞳はむしろ不都合である。ところが,カタプレサン点眼薬は瞳孔反応に影響がなく,降圧が得られるという。
 カタプレサンはイミダゾリン誘導体であり,化学名は2—(2,6—ジクロロフェニルアミノ)−2—イミダゾリン塩酸塩である。構造式は第1図のようであり,この分子量は266.57である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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