文献詳細
文献概要
臨床報告
蜂巣状類嚢胞黄斑部変性症の一例
著者: 高橋寛1 内田璞2
所属機関: 1高橋眼科医院 2京都大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.397 - P.401
文献購入ページに移動Vogt (1918)1)は,網膜色素変性症,網膜剥離および亜急性虹彩毛様体炎の黄斑部を無赤光線で観察して類嚢胞状を呈する症例を見出し,Bienen—wabenmaculaと命名している。これが蜂巣状類嚢胞黄斑部変性症(honeycomb cystoid macu—lar degeneration)の最初の報告と思われる。網膜剥離,網膜静脈閉塞症の黄斑部が類嚢胞状を呈することは珍しくなく,またこのような続発性の類嚢胞黄斑部変性症の報告2)〜5)もまれではない。同様の病変が,原発性あるいは特発性に発症することも知られてはいるが,個々の症例に関する詳細な記載は見当たらず,黄斑部変性症における位置づけも定かではない。
最近,われわれは,原発性と思われる両眼の蜂巣状類嚢胞黄斑部変性症の1例を経験し,螢光眼底撮影をふくめ興味ある所見を得たので報告する。
掲載誌情報