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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科28巻4号

1974年04月発行

文献概要

特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 講演 学会原著

Major tranquilizerによると思われるOculogyric crises症例について

著者: 下奥仁1 青山達也1 鈴木有朋2

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室 2神戸大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.493 - P.498

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緒言
 oculogyric crisesとは,発作的に出現する両眼の不随意的なけいれん性上方偏位であり,数分〜数時間の発作がみられ,oculogyric spasms,oculogyric seizures,visual fits,tonic eye fitsとも呼ばれる15)。このoculogyric crisesは多くの場合,postencephalitic syndromeの1つとしてみとめられ,Onuaguluchi23)によると29.8%の高率に出現するという。
 一方,1950年代の前半頃からmajor tranquil—izerとして精神科領域で多く用いられて来たphenothiazine誘導体(chlorpromazineその他)は,その副作用として錐体外路反応をきたし,老人よりも小児に頻々にみられることが報告せられている11)。しかし,phenothiazine誘導体は,小児の悪心,嘔吐に対しては,その原因の如何にかかわらず有効であるために,日常繁用せられている薬物である12)。major tranquilizerの副作用としてのoculogyric crisesの発症は,かなり大量,かつ長期にわたつて用いた場合にみられることが多い28)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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