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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科28巻4号

1974年04月発行

特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その4)

講演 学会原著

重症筋無力症の眼症状およびコリンエステラーゼについて

著者: 向野和雄1 石川哲1 疋田春夫1

所属機関: 1北里大学医学部眼科

ページ範囲:P.535 - P.542

文献概要

緒言
 重症筋無力症(以下MGと略)はその初発症状として眼瞼下垂をほぼ90%に,また複視を70%にみるとされ,その経過中には眼症状が100%近く出現するなど1)その診断の面においても本症は眼科医にとつて極めて重要な疾患である。今1つMGの眼科的に重大な問題の1つに眼瞼下垂,マヒ性斜視による弱視,両眼視発達障害の問題がある。これらの問題の解明のための第1歩として,MG患者の眼症状の特徴を明らかにする必要があるが多数例のまとまつた報告はみられない。今回私どもは北里大学眼科自験例50例について,眼症状(眼瞼下垂,眼位,眼球運動)の特徴を調べた。
 MGの病因については現在もなお多くの議論があるが,本症の本質とも関わる問題として,患者が正常人と比しアセチルコリンに低感受性であるという報告2)がみられる。これらの事実とも関連して,患者の血中および組織の,コリンエステラーゼ(ChEと略)の異常の有無は検討すべき重要なことと考えられる。今回はその第1段階として患者の血中ChEの活性および性質について検討し,2,3の興味ある所見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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