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臨床報告
眼窩腫瘍に対するMicrosurgical Techniqueの応用
著者: 府川修1 田中輝彦2 須田栄二3 福士和夫3 早川むつ子3
所属機関: 1東北大学医学部脳研脳神経外科 2青森県立中央病院脳神経外科 3青森県立中央病院眼科
ページ範囲:P.555 - P.560
文献購入ページに移動眼窩腫瘍は,統計上眼疾患の約0.01〜1.47%13)を占めるに過ぎないといわれている。しかし,その治療に関しては予後はもとより,眼球を保存しうるか否か,あるいは眼球を保存しえた場合でも眼球運動障害,視力,視野障害,その他眼瞼下垂等の眼機能障害をおこさぬようにするという点で,きわめて重要な問題を含んでいる。
われわれは,昭和44年1月1日より昭和47年12月31日までの4年間に,青森県立中央病院,脳神経外科において9例の眼窩腫瘍を経験し,主として経前頭開頭により腫瘍を摘出してきた(第1表)。さらに最近では,microsurgical techniqueを応用することによつて,眼窩内の神経,血管,筋肉等に与える損傷を最少限度におさえ,術後の眼機能障害をなるべくきたさぬように努力してきた。
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