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臨床報告
Behçet病の免疫抑制療法—臨床症状に対する効果
著者: 高畠稔1 奥田観士1 山名征三2 大藤真2
所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室 2岡山大学医学部第3内科学教室
ページ範囲:P.561 - P.564
文献購入ページに移動Behçet病の原因は,現在なお不明であり,したがつて其の治療法も未だ確立されていない。本疾患の臨床像,経過,病理組織所見等より考えると,本症の発症にはいわゆる免疫異常による膠原病類似の病態がうかがわれ,したがつてこの方面からの治療が行なわれつつあるのが現状である。すなわち,Cyclophosphamide,6—mercaptop—urine等に代表される化学的免疫抑制剤が本疾患に試みられ,文献的にBuckleyら1),森田2),青木ら3),大藤,山名4),Mamoら5)が有効であつたと報告している。
われわれは今回,完全型10例,不全型6例の計16例のBehçet病患者にステロイド剤(STH),Cyclophosphamide (CP),6—mercaptopurine(6MP),Azathioprine (AP)などの抗炎症,抗免疫剤を長期間投与し,その臨床症状とくに眼症状に及ぼす影響を検討し新知見をえたので報告する。
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