文献詳細
臨床報告
光学顕微鏡用試料から作製された電子顕微鏡標本による病理診断—眼窩横紋筋肉腫の病理診断
著者: 雨宮次生1
所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.693 - P.696
文献概要
光学顕微鏡レベルでの病理診断にさいして,各種特殊染色を施しても,なおかつ鑑別診断の困難なことがある。こういう場合に,電子顕微鏡用に固定包埋された試料があれば,電子顕微鏡によつて,発生母細胞や細胞の鑑別同定が容易になり,診断が可能となる。しかし,大抵の場合,電子顕微鏡用の固定包埋はなされていないし,それが当然である。このような場合には,鑑別しようとする細胞の特徴のみをみつける目的で,光学顕微鏡用試料から,電子顕微鏡用試料に作り変える方法がとられる。眼科領域では,AFIPのZimmer—man一派によるこうした試みがいくつか報告されてきた1)〜5)。
本篇では,光学顕微鏡用試料を電子顕微鏡用試料に作り変える方法4)を紹介すると共に,著者の方法と症例を報告したい。
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