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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科28巻6号

1974年06月発行

文献概要

特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 講演 学会原著

euthyroid Graves' diseaseの眼所見について

著者: 井上洋一1 井上トヨ子1 鈴木琢弥2

所属機関: 1オリンピア・クリニック眼科 2伊藤病院内科

ページ範囲:P.761 - P.772

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緒言
 バセドー病の際に現われる眼所見は,バセドー病の経過観察上,見逃すことのできない因子として重視されているが1)2)3),この眼所見は臨床上混乱を招く1因ともなつている。それは,バセドー病の治療をうけ,甲状線機能の亢進状態が正常化された後に,眼所見が出現してくる場合があるためである。甲状腺機能の異常によつて,眼所見の出現してくる機序が未だに明らかにされていないことにもよるが,古くから,バセドー病において,甲状腺機能状態と眼所見に相関があるような誤つた見解4)が示されたことにもよる。著者らの調査2)では,甲状腺の機能状態とは全く無関係に現われていた。このことから前報で,甲状腺臨床における眼の異常をdysthyroid ophthalmopathyと定義づけ,臨床的に有用な眼所見の解析を行なつた。今回は,バセドー病にみられる眼所見が現われているにもかかわらず,甲状腺機能状態が全く正常な症例に対して,眼科的な検索を加えた結果興味ある知見をえたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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