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特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 講演 学会原著
進行性錐体ヂストロフィー
著者: 大庭紀雄1 廖富士子1
所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.799 - P.803
文献購入ページに移動 網膜広範囲の錐体機能が強く障害された4症例を記述した。発症年齢は後天性に,10歳台ないし30歳台であり,症状は緩慢に進行した。主症状は視力低下,色覚異常,昼盲であり,夜盲はなく眼振もなかつた。暗順応,ERG検査などにより広範囲の錐体機能の異常と,正常な桿体機能が認められた。4症例とも単発例であり,2症例の両親には血族結婚が認められ,常染色体性劣性遺伝による網膜のヂストロフィー的変化が考えられた。
これらの症例は,欧米において報告されている進行性錐体ヂストロフィーに類似していたが,眼底にほとんど異常が見出されないことや,EOGが正常のことなどから,それらの病型の異型か,または新しい疾患である可能性が考えられた。
(東京大学・三島済一先生の日頃の御鞭撻を感謝します。有益な討議をして下さつたアメリカ合衆国ミシガン大学・M.Alpern先生と三重大学・横山実先生に感謝します。この仕事の一部は文部省科研費(昭48-867115)の援助により行なわれた。なお,詳細はJapanese Journalof Ophthalmology,18:50-69,1974に発表された。)
これらの症例は,欧米において報告されている進行性錐体ヂストロフィーに類似していたが,眼底にほとんど異常が見出されないことや,EOGが正常のことなどから,それらの病型の異型か,または新しい疾患である可能性が考えられた。
(東京大学・三島済一先生の日頃の御鞭撻を感謝します。有益な討議をして下さつたアメリカ合衆国ミシガン大学・M.Alpern先生と三重大学・横山実先生に感謝します。この仕事の一部は文部省科研費(昭48-867115)の援助により行なわれた。なお,詳細はJapanese Journalof Ophthalmology,18:50-69,1974に発表された。)
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