臨床眼科28巻6号

1974年06月発行

臨床報告

外斜視に調節性内斜視を合併した症例

著者： 井上浩彦¹ 市田忠栄子²

所属機関： ¹東京都立府中病院眼科，日本大学医学部眼科（駿河台日大病院） ²東京都立府中病院眼科

ページ範囲：P.835 - P.837

緒言
　生来外斜視の患者が幼児期に調節性内斜視を合併すれば，眼位が外斜視から内斜視の間を往復するであろうことは，理論的には考えられるが，実際にはこのような現象が著明にみられる症例はまれである。今回われわれはこのような症例を経験したが，調査し得た範囲の文献では，英国の文献に1例見出し得たのみで，本邦の文献には見出し得なかつたので報告する。