文献詳細
文献概要
臨床報告
新しい緑内障手術,Aqueo-Suprachoroidal Tunnelの提案
著者: 菅謙治12
所属機関: 1天理病院眼科 2現在:北野病院
ページ範囲:P.1025 - P.1028
文献購入ページに移動緒言
対緑内障手術の一つである毛様体解離術は,前房水を脈絡膜血管に吸収させて眼圧を下降せしめんとする術式である。これは広い適応範囲をもち,しかもくり返して行なうことができるという利点を有するので,1906年Heineの報告以来広く使用されているが,その反面手術成績があまり良くなく,術後に白内障を合併しやすいと1)いう欠点を有する。そこで前者の欠点を補うために,解離間隙にいろいろの異物を嵌置する試みが行なわれてきたが,いまだ決定的な方法は見出されていない。
このたび著者が考案した対緑内手術,Aqueo—Suprachoroidal Tunnelとも呼ぶべき術式は,強膜内にトンネルをつくり,このトンネルによつて前房と上脈絡膜腔とを交通せしめて房水を脈絡膜血管に吸収せしめんとする方法であるが,本法によれば毛様体解離を行なわないので,水晶体損傷の危険は少なく,また硝子体の圧迫によつて間隙が閉塞することもない。
対緑内障手術の一つである毛様体解離術は,前房水を脈絡膜血管に吸収させて眼圧を下降せしめんとする術式である。これは広い適応範囲をもち,しかもくり返して行なうことができるという利点を有するので,1906年Heineの報告以来広く使用されているが,その反面手術成績があまり良くなく,術後に白内障を合併しやすいと1)いう欠点を有する。そこで前者の欠点を補うために,解離間隙にいろいろの異物を嵌置する試みが行なわれてきたが,いまだ決定的な方法は見出されていない。
このたび著者が考案した対緑内手術,Aqueo—Suprachoroidal Tunnelとも呼ぶべき術式は,強膜内にトンネルをつくり,このトンネルによつて前房と上脈絡膜腔とを交通せしめて房水を脈絡膜血管に吸収せしめんとする方法であるが,本法によれば毛様体解離を行なわないので,水晶体損傷の危険は少なく,また硝子体の圧迫によつて間隙が閉塞することもない。
掲載誌情報