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臨床報告
Geographic Choroiditis について—一群のPigment Epitheliopathyの考え方
著者: 荻野誠周1 永田誠1
所属機関: 1天理病院眼科
ページ範囲:P.1053 - P.1059
文献購入ページに移動Gass (1968年)1)が,いわゆるacute posterlormultifocal placoid pigment peitheliopathy(以下APMPPE)のclinical entityのもとに,後極部に散在性あるいは融合性に出現する網膜深部もしくは脈絡膜の急性炎症性浮腫に始まり,数カ月の経過で地図状色素上皮障害を遺して治癒する予後良好な両側性疾患を,感染性・毒性物質に対する網膜色素上皮細胞の反応性炎症として報告して以後,APMPPEの記載は,Hyvarinenら(1969年)2),Maumenee (1972年)3),Van Buskirkら(1971年)4),Perkinsら(1972年)5), Ryanら(1972年)6),Kirkhamら(1972年)7),Birdら(1972年)8),Deutmanら(1972年)9),Fitzpatrickら(1973年)10),および吉岡ら(1973年)11)とますます増加しつつある。
一方,geographic choroiditis, geographicchoroidopathy, serpiginous choroidopathyまたはhelicoid choroidopathyなどといわれる概念の定かでない形態的名称を持つ疾患群が存在する。APMPPEも,形態的にはこのような疾患群に属するといえる。
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