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臨床報告
眼底循環異常と腎所見—第1報症例報告ならびに網膜病変の形態観察
著者: 高山東洋1 佐々木秀樹1 小玉隆一2 川上隆3 織田孝英3 池田直人4
所属機関: 1国立埼玉病院眼科 2国立埼玉病院神経内科 3国立埼玉病院泌尿器科 4慶応大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.30 - P.40
文献購入ページに移動腎疾患と眼底病変に関して,従来より多方面にわたつて多くの報告がある。その大部分が腎機能異常を伴う血圧亢進にさいしてみられる眼底病変として記述されているのが現状である。
しかし腎性網膜症と他の高血圧性網膜症には質的な差異があるとして,鑑別が可能であると示唆するものもあり1)2),最近の腎を中心とした血圧の変化,血管障害に関する研究がすすめられるに従い,いわゆる腎性網膜症あるいは腎性高血圧症による網膜病変と称せられるものの成立には,高血圧以外の要素が含まれていることが考えられ,単に高血圧性変化として理解するに止めることに疑問がある。
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