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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科29巻11号

1975年11月発行

文献概要

臨床報告

薬物点眼によるHorner症候群障害部位判定法

著者: 大野新治1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1225 - P.1233

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緒言
 ホルネル症候群では,瞳孔は交感神経作動性散瞳薬の点眼に対して正常に散瞳しない例がみられるが,この瞳孔反応の異常は,交感神経経路中の障害部位に関係があるために,瞳孔の薬物に対する反応状態で障害部位を判定しようとする方法が種々試みられてきた1)〜4)。しかし,これらの成書に記載された方法に従つて実験を行なつてみても,臨床診断による障害部位と薬理学的なそれとが一致せず,納得のいく結果が得られない場合がある。例えばForesterらの方法では,正常眼は1,000倍のadrenalin点眼によつて散瞳しないのに反し,節後障害のHorner症候群では散瞳が起こるとしているが,節後の障害でも散瞳が起らないことの方が多い。また,Jaffe法ではcocaine点眼45分後にまず判定を行ない,その後adrenalinを点眼するのであるが(第1表),これは人種的な薬物感受性の相違のためか,日本人ではcoca—ineの作用を点眼45分後に判定するのは,判定時間が短いようである。
 Thompsonら5)は,1971年に5%cocaine,10%あるいは1%Neosynesine及び1%hydroxy—amphetamine (以下OH-amphetamine,商品名Paredrine)を使つた交感神経障害部位判定法を発表した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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