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臨床報告
Coats氏病の1例
著者: 川田芳里1 生井浩1 石川豊子2
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2九州大学薬学部電顕室
ページ範囲:P.1243 - P.1248
文献購入ページに移動幼児の白色瞳孔を主訴とする疾患でもつとも頻度の高いものはRetinoblastolnaであるが,鑑別を要する疾患の1つにCoats氏病があげられる。Coats氏病で二次的な網膜剥離を生じたり,または眼圧上昇などを続発した場合などには,臨床的にRetinoblastomaとの鑑別がむずかしく,後者を否定できずして眼球を摘出せねばならないことがある1)。今回の私達の症例もRetinoblas—tomaの臨床診断のもとに摘出された眼球を肉眼的ならびに組織学的に検査したところ,Coats氏病と判明したものであつた。
Coats氏病の病理組織学的所見についてはすでに多くの報告がみられるが2〜4,11),1971年生井ら4)が報告した症例にひきつづき,トリプシン消化法による血管標本,電子顕微鏡による検索も行なつたのでその結果を報告する。
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