文献詳細
文献概要
特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その1) 学会原著
涙腺部腫瘍の臨床所見,とくにレ線所見について14例についての検討
著者: 高木郁江1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.123 - P.129
文献購入ページに移動緒言
涙腺部腫瘍は副涙腺や異所性涙腺に発生するまれなものを除くと,眼窩骨に密接して発生するため,骨の変化をきたしやすい。したがつてその診断にさいしては,頭蓋単純レ線撮影を欠くことはできない。しかし現在まで,涙腺部腫瘍における眼窩骨の変化については,良性のものと悪性のものが混同されたり,あるいは悪性腫瘍の骨浸潤による骨破壊像のみが強調されてきたきらいがある1)〜3)。また涙腺部腫瘍が比較的まれな疾患であるためか,わが国では多数の自験例をまとめた報告はみられず,頭蓋単純レ線写真で異常を認めたものも意外に少ないようである。
今回著者は涙腺部腫瘍14例の臨床所見,とくに頭蓋単純レ線写真所見を検討し,興味ある知見を得たので報告する。
涙腺部腫瘍は副涙腺や異所性涙腺に発生するまれなものを除くと,眼窩骨に密接して発生するため,骨の変化をきたしやすい。したがつてその診断にさいしては,頭蓋単純レ線撮影を欠くことはできない。しかし現在まで,涙腺部腫瘍における眼窩骨の変化については,良性のものと悪性のものが混同されたり,あるいは悪性腫瘍の骨浸潤による骨破壊像のみが強調されてきたきらいがある1)〜3)。また涙腺部腫瘍が比較的まれな疾患であるためか,わが国では多数の自験例をまとめた報告はみられず,頭蓋単純レ線写真で異常を認めたものも意外に少ないようである。
今回著者は涙腺部腫瘍14例の臨床所見,とくに頭蓋単純レ線写真所見を検討し,興味ある知見を得たので報告する。
掲載誌情報