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特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その1) 学会原著
急性出血性結膜炎にみられた角膜点状上皮下混濁について
著者: 金子行子1 内田幸男1
所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.141 - P.144
文献購入ページに移動急性出血性結膜炎(Acute hemorrhagic con—junctivitis以下AHCと略)は流行性出血性結膜炎Epidemic hemorrhagic conjunctivitisとも呼ばれるが,ここでは前者を用いることにする。これはガーナ国アクラ市での1969年における大流行1)以前には全く知られなかつた疾患である。患者からウイルスが分離され,起炎病原体であることが決定したのは,わが国で甲野らによつてなされた研究の結果である2)。わが国をも含めた世界的の規模における大流行の疫学は同氏によつて詳述されている3)。
AHCには発病初期に上皮性角膜炎が高率に合併し,これが患者の自覚症である眼痛や異物感などの原因として考えられている。しかしアデノウイルス角結膜炎にみるような,急性結膜炎の症状が消失したのちに生ずる点状の上皮下混濁は,AHCには起こらないとされてきた。そしてこのことが両疾患の臨床的鑑別点の一つともされている。
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