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特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その2) 学会原著
GM2—Gangliosidosis Type I (Tay-Sachs disease)におけるcherry red spotの組織学的検討
著者: 喜早光紀1 松田英彦1 有賀和雄1 五十嵐良1 穴倉廸弥2 荒島真一郎2
所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2北海道大学医学部小児科学教室
ページ範囲:P.279 - P.285
文献購入ページに移動GM2—Gangliosidosis Type I (Tay-Sachs di—sease)(以下TSD)は遺伝学的に常染色体劣性遺伝形式を示し,cerebro macular degenera—tionまたはcerebro retinal degenerationともいわれる特有な臨床像を示す疾患として知られている。
近年,酵素学の発達に伴い,本疾患の病因がlysosomal enzymeのうちHexosaminidase.Acomponentの全欠如によることが解明され1),この結果として中枢神経系の神経細胞を中心に脂質代謝異常が起こりGM2—Gangliosideが細胞内に残留,蓄積されてくるものと考えられている2)3)。これら蓄積された脂質は電顕下にmem—branous cytoplasmic body (以下MCB)として神経細胞の細胞体内に観察されている2)3)。
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