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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科29巻3号

1975年03月発行

特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その2)

学会原著

糖尿病性網膜症の凝固・線溶系

著者: 瀬戸川朝一1 藤永豊1 玉井嗣彦1 松浦啓之1 中村克己2

所属機関: 1鳥取大学医学部眼科学教室 2鳥取大学医学部内科学教室

ページ範囲:P.313 - P.318

文献概要

緒言
 糖尿病性網膜症(以下本症と略す)における網膜出血は,直接視力に影響を及ぼす重要な問題であり,その機序についても以前よりいろいろ論じられてきた。一般的に出血は血管壁の障害,血小板系の異常,血液凝固系の障害,循環抗凝血素の量,そして線溶系の亢進などいろいろな要因により影響を受け,一元論的には結論は下されない。
 本症における網膜出血も,従来線溶能の亢進と関連を持つとの報告もあり1)〜3),また最近では糖尿病患者では線溶能は抑制傾向を示すことが多いという事実から,福田4),宇山ら5)は線溶能の低下傾向を指摘している。そしてこれらのことは,治療面にも直接影響をきたす事実でもあり,著者らは本症の出血に関与する凝固系,線溶系および血小板について諸種検索を行ない,比較検討を加えたしだいである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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