文献詳細
特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その2)
学会原著
眼科超音波診断に関する研究第9報—眼科カラー超音波診断の検討(ディジタル式同時断層装置によるカラーおよび白黒超音波診断法について)
著者: 太根節直1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.319 - P.323
文献概要
著者らは,従来白黒像で判定していた眼科の超音波検査所見の診断精度向上と,鑑別の容易化をはかることを目的として,カラー断層表示装置を開発して,すでに第8報で発表(日眼,78:214〜219,1974)したが,今回はさらにその臨床応用上の諸問題を検討する。
著者らの方式によるディジタル式カラー同時断層診断装置の開発および使用は,眼科領域については世界で最初のものであり,東芝およびゼネラルの技術協力をえて完成されたものであるが,これによりモノクローム表示では広い階調率grayscaleがえられ,カラー表示では,これらが7色の色調でディジタル化して表示されるので,従来の超音波断層像では,白黒の濃淡差が少なく,したがつて反射波の強弱についての十分な情報に欠けていた欠点を補い,広い階調率の病的組織のBモード断層像をえることができて,従来よりも診断精度をより一層向上させえたので,そのカラー断層診断の実際につき大要を報告する。
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