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特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その3) 学会原著
Angioid Streaksの長期観察例—経過中にAngioid Streaksの新生が見られた症例について
著者: 山之内夘一1 原潤一郎1
所属機関: 1長崎大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.409 - P.414
文献購入ページに移動網膜色素線条(以下ASと略)の基盤をなす病理組織学的変化は,Bruch膜のLamina elas—ticaにあるというのが今日の通説である,この弾力膜の変性,破裂によつていわゆるASという臨床像が得られる。また身体他部の弾力組織を侵す系統疾患の一つとも考えられ,皮膚にみられるPseudoxanthoma elasticum (以下PXEと略)はよく知られており,Groenblad-Strandberg症候群の名で呼ばれている。
ここにあげる症例はAS,PXEが認められたGroenblad-Strandberg症候群の患者で,初診から4年半後,右顔面打撲により両眼の眼底出血をきたし,その後田血吸収されるに従つて出血部に典型的なASの新生が認められた症例である。AS眼底の易出血性は知られているが,AS新生例の報告は少ないので,ここに追加報告する次第である。
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