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特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その4) 学会原著
頬骨(上顎骨)骨折による眼合併症
著者: 中川喬1 小野弘美1 田所哲司1 篠崎文彦2
所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室 2札幌医科大学口腔外科教室
ページ範囲:P.579 - P.582
文献購入ページに移動頬骨は眼窩を構成している骨のうち,もつとも外力を受け易く,その骨折は顔面中央1/3の骨折のうちもつとも頻度が高い。頬部の骨折はいわゆるblow-out fractureとことなり,必らずしも眼症状を伴わないため,眼科医の診察をうける機会も少なく,眼合併症は比較的少ないと報告されていた。
外傷により頬骨が,変位,骨折する場合には,周囲の前頭骨,側頭骨,蝶形骨あるいは上顎骨の骨折を伴う。このうち眼窩底を構成している上顎骨および頬骨の離解,骨折は,眼機能障害に関係が深い、,題名を頬骨(上顎骨)骨折としたのは,頬骨骨折に伴つて生ずる上顎骨骨折を強調する意味,およびLe Fort Ⅱ,Ⅲ型を合併した症例を含めた頬部の骨折という意味である。
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