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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科29巻6号

1975年06月発行

雑誌目次

特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その5)

第28回日本臨床眼科学会講演集目次

ページ範囲:P.664 - P.664

講演
Cryptococcal Meningitisによる眼症状………………井街 譲・他…669
侏需(Dysplasia spondyloepiphysaria congenita)と巨大裂孔を伴つた特異な網膜剥離………………清水昊幸…675

学会原著

Cryptococcal Meningitisによる眼症状

著者: 井街譲 ,   可児一孝 ,   井出俊一

ページ範囲:P.669 - P.674

緒言
 Cryptococcal meningitisについては,1894年Bussueをはじめとして,わが国でも渡辺,五斗以来幾多の報告がみられる,本症はかつては,はなはだしく予後不良の疾患であつたが,1961年Amphotericin Bが使用され始めてからその死亡率は半減した,しかし,命をとりとめても脳神経障害,特に視機能障害が残されて,難治の場合が多い。
 われわれは1967年から1974年6月までの約5年間に,Cryptococcal meningitis 7例を経験した。このうち3例はすでにクモ膜所見等について報告したが,その後さらに4例を経験したので,計7例(開頭例7例と非開頭例3例)について,眼科的症状とクモ膜病理,後遺症に対する治療について検討し報告する。

侏儒(Dysplasia spondyl epiphysaria congenita)と巨大裂孔を伴つた特異な網膜剥離

著者: 清水昊幸

ページ範囲:P.675 - P.679

緒言
 Congenital spondyloepiphyseal dysplasia(先天性脊椎骨端異形成)あるいはSpranger—Wiedemann症候群と呼ばれる,主として躯幹骨の発育不良による侏儒があり,これに網膜剥離が合併することはこれまでにもいくつかの報告例があり,最近注目をあつめている1)3〜5)。しかし,その報告された症例の多くは網膜剥離に関しては陳旧例であり,新鮮例の報告は非常に少ない。わずかにLalive d'Epinayら3)の報告した1例とBrégeatら4)の報告した1例とがあるのみである。これら2症例はいずれも硝子体の変化が強く,治療は困難を極めたようであるが,巨大裂孔を生じたものではない。
 私は2例のSpranger-Wiedemann症候群の症例において,3眼に巨大裂孔を伴う網膜剥離の新鮮例を経験したので,ここに報告する。

教室における最近10年間の先天性色覚異常者の統計的観察—その1色覚検査表の検討

著者: 太田安雄 ,   加藤晴夫 ,   小暮慎二 ,   大谷公子 ,   山口淑美 ,   清水金郎

ページ範囲:P.681 - P.688

緒言
 各種の色覚検査表に対する検討,あるいは検査表相互間の比較研究などの報告は多数認められるところである。
 われわれの教室ではRoutineな色覚検査として,アノマロスコープ,各種色覚検査表,色相配列検査,市川氏ランターンテストなど計8種類の検査を行なつて,色覚異常の判定を行なつている。今回,過去10年間にわたり,約1400例の先天性色覚異常者に行なつた色覚検査成績を整理検討したが,そのうち,東京医大表,石原表,大熊表,HRR表の各種色覚検査表について行なつた検査成績の統計的観察の結果を報告する次第である。

Glaucomato-cyclitic crisisの眼圧上昇とProstaglandins

著者: 増田寬次郎 ,   伊沢保穂 ,   渋谷英美 ,   河村妃名子

ページ範囲:P.689 - P.694

緒言
 Glaucomato-cyclitic crisisの発症機序については,Posnerら1)は視床下部および末梢自律神経系の異常によつて起こると考えたが,その後末梢性のtoxic,またはallergicな要因によつて起こると考える者1)〜5)もいて定説はない。またその発作時にみられる眼圧上昇機序についてもさまざまな要因が考えられているが,これもまだはつきりした結論は出ていない6)〜9)
 本症の現症としてみられる眼圧上昇と軽い虹彩毛様体炎を起こすものとして,なんらかの化学物質,あるいは炎症のMediatorが老えられる。動物実験の結果10)〜20)からProstaglandins (以下PGsと略す)は,その中でも最も疑わしい物質の一つである。今回の報告は本疾患の発作時および寛解期にPGsがどのような動態を示すかを知るために,前房水中のPGE1およびPGFをRadioimmunoassay法により定量したのでその結果を報告する。

緑内障眼前房隅角の微細構造—(4)原発性開放隅角緑内障

著者: 瀬川雄三 ,   吉田啓三

ページ範囲:P.695 - P.696

緒言
 開放隅角緑内障眼の内皮網内に線維要素の著明な増加沈着が観察されているが1)2),それが眼圧上昇の原因であるのか,それとも結果であるのか,あるいは加齢変化であるのかという問題は現在のところ未解決である。一方前報3)にてSch—lemm管線維柱切除術(Trabeculectomy)のさい得られる切除組織片がほぼ完全な形でSchle—mm管ならびに線維柱網状組織を含有しており,前房隅角組織の電顕的研究にも十分利用できることが明らかにされたので,今回はTrabeculecto—my組織片を透過電顕にて観察し,原発性開放隅角緑内障眼の内皮網内変化を解明しようと試みた。観察された緑内障眼は23眼(年齢20〜76歳,視野湖崎氏分類II-a—VI期,C値0.02〜0.20)で,この観察から原発性開放隅角緑内障眼の内皮網にみられる変化のうち,Schlemm管内壁直下への無定形物質の増加沈着は,年齢,病期よりはむしろ房水流出率と相関関係があることが判明したのでここに報告する。

新しい緑内障手術—前房強膜内トンネル(A-I Tunnel)

著者: 菅謙治

ページ範囲:P.697 - P.703

緒言
 緑内障に対する手術として,Scheie手術,虹彩はめこみ術,管錐術,Walser手術などの炉過手術が一世を風靡したが,これらには多くの合併症が存在するために,新しい緑内障手術としてTrabeculotomy1)2),Trabeculectomy3)(またはTrabeculo-canalectomy),Sinusotomy4),それにTrabeculotomyとSinusotomyとを併用するInternal (またはTunnel) Sinusoto—my4)などが登場してきた。これらの新しい手術はいずれも房水排出の抵抗の場のみを取り除かんとしたものであつたが,必ずしもすべてにおいて初期の目的が達せられているとは限らない。すなわちSinusotomyの奏効機序に関しては,単性緑内障の抵抗の場がSchlemm管内側組織と考えられているために多くの異論がとなえられ,またTrabeculectomyに関してもこれによつてSchlemm管の切断端が開口し,房水がこの開口部から排出されるというようなことはありえないとの意見が提出されている。したがつて新しい緑内障手術の中で,いまだ100%確実ではないとしても,一応理論的な基盤を持つているのは今のところTrabeculotomyだけであろう。しかしT—rabeculotomyは高度な技術と熟練を要する手術で,誰もがすぐに行なうというわけにはゆかない手術術式である。

出血性緑内障に対する毛様体凍結術の試み

著者: 塚原重雄 ,   福田雅俊

ページ範囲:P.705 - P.711

緒言
 出血性緑内障とは前房隅角部における血管新生とともに結合織性線維の増殖が起こり,Zipper—likeと称されているような隅角部の虹彩前癒着により房水流出障害が惹き起こされ,高眼圧を生ずるものとされている1)。このような出血性緑内障は患者に耐えがたい眼痛,頭痛,嘔吐等の自覚症状を与え,薬物療法はもとより手術療法でもなかなか眼圧降下をみず,自覚症状の改善もみられないところから,しばしば眼球摘出のやむなきに至る症例が多くみられ,われわれ臨床医が非常に悩まされるのが常である。また増殖型の糖尿病性網膜症にもしばしばこの出血性緑内障が合併し,最終的にはこの合併症により失明するものが多く,内科主治医に本症に対する理解がないため,その治療処置に関して眼科医との間に問題が起こりやすい。

白内障顕微鏡下嚢外摘出術の新手術法

著者: 村田忠彦 ,   日隈陸太朗

ページ範囲:P.713 - P.717

緒言
 最近は手術用顕微鏡の発達,冷凍摘出術の応用,手術器具や縫合材料等の著しい改良により,比較的若年者でも白内障の嚢内摘出術が広く行なわれるようになつたが,硝子体脱出やそれに引き続く各種の障害,pupillary block等の術中,術後合併症を防ぐ安全性という点から,嚢外摘出術の価値は少しも衰えていない。ただ従来の嚢外摘出術では術後,後発白内障の発生が通常不可避であり,その切裂術等の手術がさらに1〜2回必要となる等の欠点があつた。そこで従来の嚢外摘出術の欠点を除き,嚢内摘出術に伴う各種の合併症がなく,両者の長所を兼ね備えた新しい顕微鏡下嚢外摘出術を開発した。
 本手術法は私どもが確認した先天性および後天性白内障の大部分において,水晶体嚢は混濁せず完全な透明性を維持しており,嚢外摘出術後も後嚢の透明性は完全かつ永続的に保たれるという事実に基づいている。

Uveitisを初発症状とする脳腫瘍Reticulum cell sarcomaの1例

著者: 中林正雄 ,   高槻玲子 ,   宇山昌延 ,   福田富士男 ,   栗山剛 ,   前川潔 ,   小田冨雄 ,   岡久雄 ,   中谷俊生

ページ範囲:P.719 - P.727

緒言
 従来ブドウ膜炎と脳腫瘍との問には関連する点はまつたく考えられず,過去においてブドウ膜炎の分類の中にも,また鑑別診断の中にも含まれていなかつた。1972年にNeaultら1)は,ブドウ膜炎を伴う脳内原発性細網肉腫の7例を報告した。その報告では,12年間に開頭術によつて脳内細網肉腫を見出した17例のうち,7例においてブドウ膜炎の既往があつたが,細網肉腫以外の脳腫瘍では,ブドウ膜炎の既往のある例はなかつたという。その7例の年齢は42歳から64歳まであり,眼症状発症から死亡までの期間は1.7年から12.7年におよび,眼症状発症より神経症状発症までの期間に最長で7.8年もの期間をおくものがあつた。7例中1例のみが死後剖検されているが,その時点まではブドウ膜炎との関連に気づかれていなかつたらしく,眼球の剖検はすべて行なわれていない。またNeaultはその論文中に,それ以前の記載にはVogel2)の記載した2例があることを述べている。Vogelは1968年,眼内の細網肉腫の6例を示し,そのうち2例で眼球以外に脳に細網肉腫を認め,かつ眼所見はブドウ膜炎であり,緑内障を合併したので摘出剖検している。
 今回私らも原因不明のブドウ膜炎で発症した脳内細網肉腫の1例を経験したので報告する。

Acute Posterior Multifocal Placoid Pigment Epitheliopathy (APMPPE)

著者: 丸山博信

ページ範囲:P.729 - P.736

緒言
 脈絡膜よりの漿液性浸出を原因とする続発性網膜剥離の代表としては,原田病ならびに中心性網膜炎があるが,これと同じような範疇に入りながらもなおきわめて特徴ある臨床像を示す疾患として,急性後部多発性円盤状色素上皮症,Acuteposterior multifocal placoid piglnent epithe—liopathy (APMPPE)なる疾患の存在することが1938年Gass1)により報告されている。
 本邦では吉岡氏2)の非典型例を別とし,このような疾患の典型例の報告はみられない。われわれはまさに本症そのものであると考えられる3例を経験し,その臨床所見ならびに螢光像の解析から,本症の発症機作について得た見解を報告する。

小児の硝子体混濁—(第2報)免疫グロブリンとの関係について

著者: 荻野総夫 ,   月花一 ,   広江靖 ,   増川弘

ページ範囲:P.737 - P.740

緒言
 アレルギー性もしくはアトピー性疾患の発症には,石坂1)の発見したIgEが最も重要な因子として関与していることが知られている。われわれは前報2)において,視力障害を主訴として来院した小児に硝子体混濁を認めることがよくあり,これらを詳細に検査すると慢性毛様体炎が認められるか,もしくはこれが疑われることが多く,またこれらの例について血清学的に検討すると,IgE値の上昇している例が認められることを報告した。
 今回われわれはHoechst社の拡散法によるIgE値の測定を行ない,Pharmacia社のRIST法によるIgE値と比較検討した。また視力障害児のIgE値と他の免疫グロブリンであるIgA,IgGおよびIgM等との関連性について検討した。また現在主として小児科領域でヒスタミン固定能の低下している小児にIgE値の上昇を認め,これにヒスタミン加グロブリン(ヒスタグロビン)の投与が有効であることが知られている。われわれはこれまで硝子体混濁を有する視力障害児に対して,ステロイド剤投与により視力の改善を示した例を多数得てきたが2),ステロイド剤の副作用を避ける目的で今回は科研化学製リノビンを投与したところ,視力の改善をみたものが多かつたので報告する。

代用硝子体の実験的研究(1)—PVA含水ゲルの硝子体置換手術方法とその後の臨床経過

著者: 原嘉昭 ,   西岡啓介 ,   神谷貞義

ページ範囲:P.741 - P.745

緒言
 硝子体構成要素は水の他,コラーゲンフィブリル,ムコ多糖,可溶性蛋白,および金属塩類が主体をなし,棒状コラーゲン繊維の網目構造(Col—lagen network)中に糸まり状のムコ多糖(hy—aluronic network)が多量の水を包含した形で閉じ込められているモデルが,Balazs,E.A.ら1)によつて発表された。
 一方,硝子体の一部を合成物で置換,あるいは硝子体中に合成物を注入する(Internal Tam—ponage)試みは数多くある。中でも液状シリコン,グリセリルメタクリレート,ハイドロゲルなど,一部使用されているが,眼組織への障害性や,合併症の発生が多く,また挿入物の周囲に膜が生成すること3)など十分な結果は得られていない。

連載 眼科図譜・211

Choroidal foldsの螢光眼底所見

著者: 有賀和雄 ,   田川義継

ページ範囲:P.667 - P.668

〔解説〕
 眼窩腫瘍の眼合併症の1つとして,眼底後極部にFolds形成が見られることが古くから知られている。Norton1),Kroll2)等は,この病変がBruch膜,脈絡膜毛細血管,脈絡膜にあることを指摘し,Choroidal foldsと呼んだ。
症例I:40歳男性

談話室

あなたの視野をアジアの諸国へ

著者: 岩橋英行

ページ範囲:P.748 - P.749

 1969年ニューデリーにおいて,世界盲人福祉協議会(WCWB)の第四回総会が開かれました。この会議で失明防止の問題が大きく取り上げられました。
 ご承知のごとく,いま世界の盲人総人口は1600万人から1900万人と推定されています。アジアの湿地帯やアフリカの奥地へ参りますと,10万人に対し3000人から8000人という出現率と推定されています。そこで,盲人が出現してから盲教育やリハビリテーション,盲人の職業問題を考えるよりも,これ以上盲人を作らないでおこうというのがこの会議での結論でありました。

臨床報告

塩酸オキシブプロカイン(Benoxil)による角膜障害の症例

著者: 近藤武久 ,   坂上英

ページ範囲:P.751 - P.755

緒言
 1884年Karl KollerがCocaineを発見して以来,眼科領域においてはこれまでCocaine,P—rocaine,Xylocaine,Novesineなど多数の表面麻酔剤が使用されてきているが,Novesineは現在Xylocaineと並んで最も広く普及している表面麻酔剤の一つである。1952年Witmer1)の報告以来,Novesineはその速効性と,強い鎮痛作用および毒性の少ないことから,わが国でも眼科用表面麻酔剤として急速に普及し,0.4%液が商品名Benoxilとして販売されている。その主成分である塩酸オキシブプロカインの化学名はβ—Diethylaminoethyl−4—amino−3—butoxyben—zoate Hydrochlorideであり,その構造式は第1図のごとくである(以下Benoxilと略す)。
 これまで本剤の有効性を論じた報告2)〜5)には多くのものがあるが,重篤な副作用についての報告はほとんど皆無といつてよい。しかし,1973年Hilsdorf und Zenklusen6)により,本剤による重篤な後遺症をのこす角膜障害例がはじめて報告され,その濫用に対する警告が発せられた。また本邦では大野・高田7)によりBenoxilの急性角膜障害が発表された。最近,われわれもBenoxilの連用により耽溺の弊に陥り,重篤な角膜障害を惹起した症例を2例経験したのでここに報告する。

2,3の黄斑疾患の螢光眼底所見について—(その2)黄斑部網膜脳層の漿液性剥離をきたした家族性ドルーゼの一例

著者: 松井瑞夫 ,   浅井美子 ,   末野栄子

ページ範囲:P.757 - P.761

緒言
 ドルーゼ,すなわち脈絡膜硝子疣は,一般に老人性あるいは退行性眼底病変のひとつであり,特に病的意義のないものとされてきた。最近にいたり,NewellおよびKrill等がドルーゼには3種類のもの,すなわち,①家族性ドルーゼfamilialdrusen,②老人性ドルーゼsenile drusen,③続発性ドルーゼsecondary drusenがあることを,またDeutmannは,この家族性ドルーゼが従来Hutchensonのいうcentral guttate cho—roiditis (Tay)中心性滴状脈絡膜炎,Doyne'shoneycomb dystrophy of the choroid蜂巣状脈絡膜変性,Malattia Levantineseとして記載されてきた疾患と同一のものであることを明らかにしている。
 われわれは最近,家族性ドルーゼと考えられる症例で,黄斑部網膜脳層の漿液性剥離をきたした例を観察したので,その臨床所見と螢光眼底所見とを報告する。

腹臥位全身麻酔下の手術中,長時間にわたる眼球圧迫のために網膜中心動脈閉塞症をおこした一症例について

著者: 木村肇二郎 ,   大沢満雄 ,   山川高子 ,   原孜

ページ範囲:P.763 - P.767

緒言
 網膜中心動脈の完全閉塞をきたす原因として,塞栓症,血栓症,攣縮症などが良く知られているが,外部からの機械的な眼球の圧迫が原因で閉塞をきたすことはあまり知られていない。このことについては1948年Slocum,O'Nealら1)により,全身麻酔中に眼球が圧迫されたために失明に至つた例が最初に報告されて以来,外国ではJaffe2),Gillan3),Hollenhorstら4)5)の報告があり,わが国においては,深沢6),秋谷7)の報告例があるにすぎない。今回著者らは整形外科においてLa—minectomieの手術を全身麻酔下で腹臥位にて実施中,右眼球がやく4時間にわたり頭部固定装置により圧迫されたために,網膜中心動脈の完全閉塞をきたし,不幸にして失明に至つた一例を経験したのでここに報告する。

GROUP DISCUSSION

色覚異常

著者: 市川宏

ページ範囲:P.769 - P.771

 本年度の色覚異常グループディスカッシコンは三井教授のご尽力により,臨眼の前日,徳島市郷土文化会館で遺伝を主テーマとして開催された。集まつた演題は主テーマに関するもの7題,色覚生理に関するもの4題,検査法に関するもの2題あり,他に京都工芸繊維大学の秋田宗平博士の「色覚異常に関する最近の精神物理学的研究」と題する教育講演が行なわれた。演題が多かつたわりにはかなり十分な討論が行なわれたように思う。
 ところで色覚異常グループディスカッションは毎回講演集をグループディスカッション当日に出席者に配つてきているが,これは単なる予稿集ではなく,かなり煮つめられた内容が盛られている。興味ある方はなお残部が私のところにあるので申し出られたい。

眼感染症

著者: 田中直彦

ページ範囲:P.773 - P.775

A.一般演題
1.球結膜下において別出したマンソン発頭条虫の寄生例について
 眼瞼腫脹を主訴と,該部より虫体の一部を証明した40歳男子例,6カ月後に球結膜下において発見,完全に摘出し得た。
 追加小松島市在住27歳主婦における同様症例の追加(遠藤久美子)。

糖尿病性網膜症

著者: 福田雅俊

ページ範囲:P.776 - P.778

 糖尿病性網膜症グループディスカッションは,本症に対する光凝固療法に関する諸問題を,午前中光凝固グループと合同で発表討論した後,同一会場で午後定刻に開催され,出席者100名以上を集め,福田(東大分院),谷口(鹿児島大),石川(千葉大)の3名が交代で司会をつとめ,予定演題9題を熱心な討論を交えつつ滞りなく終了した。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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