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特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その5) 学会原著
出血性緑内障に対する毛様体凍結術の試み
著者: 塚原重雄1 福田雅俊1
所属機関: 1東大分院眼科
ページ範囲:P.705 - P.711
文献購入ページに移動出血性緑内障とは前房隅角部における血管新生とともに結合織性線維の増殖が起こり,Zipper—likeと称されているような隅角部の虹彩前癒着により房水流出障害が惹き起こされ,高眼圧を生ずるものとされている1)。このような出血性緑内障は患者に耐えがたい眼痛,頭痛,嘔吐等の自覚症状を与え,薬物療法はもとより手術療法でもなかなか眼圧降下をみず,自覚症状の改善もみられないところから,しばしば眼球摘出のやむなきに至る症例が多くみられ,われわれ臨床医が非常に悩まされるのが常である。また増殖型の糖尿病性網膜症にもしばしばこの出血性緑内障が合併し,最終的にはこの合併症により失明するものが多く,内科主治医に本症に対する理解がないため,その治療処置に関して眼科医との間に問題が起こりやすい。
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