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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科29巻6号

1975年06月発行

文献概要

特集 第28回日本臨床眼科学会講演集(その5) 学会原著

小児の硝子体混濁—(第2報)免疫グロブリンとの関係について

著者: 荻野総夫1 月花一1 広江靖1 増川弘1

所属機関: 1昭和大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.737 - P.740

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緒言
 アレルギー性もしくはアトピー性疾患の発症には,石坂1)の発見したIgEが最も重要な因子として関与していることが知られている。われわれは前報2)において,視力障害を主訴として来院した小児に硝子体混濁を認めることがよくあり,これらを詳細に検査すると慢性毛様体炎が認められるか,もしくはこれが疑われることが多く,またこれらの例について血清学的に検討すると,IgE値の上昇している例が認められることを報告した。
 今回われわれはHoechst社の拡散法によるIgE値の測定を行ない,Pharmacia社のRIST法によるIgE値と比較検討した。また視力障害児のIgE値と他の免疫グロブリンであるIgA,IgGおよびIgM等との関連性について検討した。また現在主として小児科領域でヒスタミン固定能の低下している小児にIgE値の上昇を認め,これにヒスタミン加グロブリン(ヒスタグロビン)の投与が有効であることが知られている。われわれはこれまで硝子体混濁を有する視力障害児に対して,ステロイド剤投与により視力の改善を示した例を多数得てきたが2),ステロイド剤の副作用を避ける目的で今回は科研化学製リノビンを投与したところ,視力の改善をみたものが多かつたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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