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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科29巻6号

1975年06月発行

文献概要

臨床報告

腹臥位全身麻酔下の手術中,長時間にわたる眼球圧迫のために網膜中心動脈閉塞症をおこした一症例について

著者: 木村肇二郎1 大沢満雄1 山川高子2 原孜3

所属機関: 1慶応大学医学部眼科学教室 2済生会宇都宮病院 3原眼科医院

ページ範囲:P.763 - P.767

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緒言
 網膜中心動脈の完全閉塞をきたす原因として,塞栓症,血栓症,攣縮症などが良く知られているが,外部からの機械的な眼球の圧迫が原因で閉塞をきたすことはあまり知られていない。このことについては1948年Slocum,O'Nealら1)により,全身麻酔中に眼球が圧迫されたために失明に至つた例が最初に報告されて以来,外国ではJaffe2),Gillan3),Hollenhorstら4)5)の報告があり,わが国においては,深沢6),秋谷7)の報告例があるにすぎない。今回著者らは整形外科においてLa—minectomieの手術を全身麻酔下で腹臥位にて実施中,右眼球がやく4時間にわたり頭部固定装置により圧迫されたために,網膜中心動脈の完全閉塞をきたし,不幸にして失明に至つた一例を経験したのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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