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臨床報告
眼瞼結節をきたしたLipoid proteinosisの1例について
著者: 小林佐恵子1 大牟田幸子1 清水眞一1
所属機関: 1東邦大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.893 - P.898
文献購入ページに移動Lipoid proteinosisあるいはHyalinosis cutiset mucosaeと呼ばれる疾患は,1908年スイスの耳鼻科教授Siebenmann1)により最初に記載され,今日までにその報告例は本邦の10数例を含めて200例に満たない稀有な疾患である。本疾患は劣性遺伝を示し,臨床像として皮膚粘膜に汎発性角化症を生じ,眼瞼縁睫毛部にはビーズ状配列を示す丘疹が認められ,睫毛乱生をきたすものもあり,また口唇,舌,上気道粘膜の硝子性変化と黄白色斑をきたし,生来嗄声を伴う疾患である。
本症の発生機序に関して脂肪代謝,蛋白代謝異常など諸説があるが,今回著者らは典型的な症状を呈した1症例を経験し,これについて報告するとともに,特に眼瞼縁皮膚病巣の生化学的および病理組織学検索を行ない,いささかの知見を得たのでここに報告する。
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