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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科29巻8号

1975年08月発行

文献概要

臨床報告

こども病院における重症視力障害児の実態

著者: 田淵昭雄1 山本節1

所属機関: 1兵庫県立こども病院眼科

ページ範囲:P.899 - P.902

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緒言
 眼科医にとつて,重症視力障害児は関心が高まりつつあるが,未熟児網膜症による盲児に対しては,近年ほど神経質にならされたことはないのではないかと思われる,,本症は重症視力障害の第一原因疾患1)で,生後4〜5カ月にして盲という事態を生むばかりでなく,いまや訴訟問題がからんでいるという点においても大変な問題を生じている2)
 乳幼児にとつて眼が不自由であることは,他の器管が不自由であること以上に,彼が成育し,社会に溶けこむのに大変なことである。しかし,もし重症視力障害児に対する養育施設や社会的な受け入れ体制が整い十分に活動するなら,眼科医のみならず患児の両親にとつてどれほど安心できるであろうか。それは障害児を取り巻く社会が努力すれば十分可能なことである3)。そして盲すなわち非社会性と考える現在の風潮を,まず私たち眼科医みずからの手で改めていくことが最も大切である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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