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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科29巻8号

1975年08月発行

文献概要

手術

私の現在行なつている斜視手術法—輪部切開法と顕微鏡下手術を中心に

著者: 馬嶋孝1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.915 - P.920

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緒言
 いかなる手術でも,はじめて行なう場合はもちろん,手慣れた術式でも,術前に手術書をひもとくことは,眼科医として当然行なわれねばならぬことである。手術書は概して一般的な術式の記述が多く,学ぶ所も多いが,また細かい点に関しては舌足らずと思われる記述も多い。たとえば,斜視手術で,筋肉を付着部で切腱するという記述でも,強膜に接して切るのか,少し付着部を残して切るのか,剪刀を筋肉の下に入れて一挙に切るのか,少しずつ切つた方がよいのか,というような疑問が生じてくる。したがつて,術者は各人の経験により最もよい方法を見出し,それを自分の方法として体得していく場合が多い。このような観点から,現在私の行なつている斜視手術法につき少しくわしく述べる。
 斜視手術は眼科領域でしばしば行なわれる手術の一つであり,眼科医であれば誰でも手がけるものである。また,研修期間に,内眼手術に先立つて執刀者となるのもこの手術である。そして,その術式においても歴史的にそれほど大きな変化はなく,今日まできわめて一般的な手術として盛んに行なわれてきた。その手術手技には,内眼手術にみられるような緊張感と微妙さはないかもしれないが,最終的に満足をうることができないという点できわめてむずかしい手術の一つであると考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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