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文献概要
眼・光学学会
光束の平行移動によるパタン認識—その2回折の影響および総括
著者: 武田啓治1
所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.927 - P.929
文献購入ページに移動緒言
網膜視細胞の方向感受性をStiles-Crawford効果を用い表現できることは広く知られており,Enochは弱視眼の視細胞の方向感受性を測定し,弱視の原因に視細胞層の配列異常が推測されうる症例を得,これにreceptor amblyopiaという名称を提唱している。視細胞層の配列異常のため視障害をきたす眼疾患は,その他に中心性網膜炎等々があるが,私どもはreceptor amblyopiaを臨床的に描出することを目的として基礎実験を行なつてみた。実験は測光法とは異なり,パタンを用い,眼前に円孔板をおき,これを移動することにより入射高を換え,網膜への入射角を変化させ,視細胞の方向感受性を視力として表わせないかどうかを試みた。この実験の結果,および眼収差による影響は第1報1)で発表しているが,今回は回折による影響,また同様の実験をカメラを用いて行なつた結果を追加発表し,合わせて考察を行なつてみた。
網膜視細胞の方向感受性をStiles-Crawford効果を用い表現できることは広く知られており,Enochは弱視眼の視細胞の方向感受性を測定し,弱視の原因に視細胞層の配列異常が推測されうる症例を得,これにreceptor amblyopiaという名称を提唱している。視細胞層の配列異常のため視障害をきたす眼疾患は,その他に中心性網膜炎等々があるが,私どもはreceptor amblyopiaを臨床的に描出することを目的として基礎実験を行なつてみた。実験は測光法とは異なり,パタンを用い,眼前に円孔板をおき,これを移動することにより入射高を換え,網膜への入射角を変化させ,視細胞の方向感受性を視力として表わせないかどうかを試みた。この実験の結果,および眼収差による影響は第1報1)で発表しているが,今回は回折による影響,また同様の実験をカメラを用いて行なつた結果を追加発表し,合わせて考察を行なつてみた。
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