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文献概要
眼・光学学会
乱視眼鏡レンズの軸の狂いと矯正効果の変化
著者: 大島祐之1
所属機関: 1東京医科歯科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1063 - P.1065
文献購入ページに移動緒言
乱視矯正のさい円柱レンズ軸を乱視軸に一致させることはもとより大切である。さればといつて完全無欠な一致は通例望めない。眼の乱視軸測定の正確さもさることながら,眼鏡調整の実際,さらには眼鏡を実際に装用する状態に照らして,多少の誤差発生を免がれ得ないからである。また眼鏡装用時の異様な歪曲感を減ぜしめるため斜乱視の場合,円柱レンズ軸を乱視軸から多少ずらす方法をとる場合がなくもない。ところで眼前に装用する円柱レンズ軸が眼の乱視軸と斜交する場合,新たな乱視が出現し,その軸は円柱レンズ軸とも眼の元の乱視軸とも異なる方向をとることは古くから知られ,その現象は円柱検影法に応用されていて,数量的関係はEuler定理1)から求められるので,矯正円柱レンズの軸の方向の狂いによつて生ずる影響の検討に利用してみた。
乱視矯正のさい円柱レンズ軸を乱視軸に一致させることはもとより大切である。さればといつて完全無欠な一致は通例望めない。眼の乱視軸測定の正確さもさることながら,眼鏡調整の実際,さらには眼鏡を実際に装用する状態に照らして,多少の誤差発生を免がれ得ないからである。また眼鏡装用時の異様な歪曲感を減ぜしめるため斜乱視の場合,円柱レンズ軸を乱視軸から多少ずらす方法をとる場合がなくもない。ところで眼前に装用する円柱レンズ軸が眼の乱視軸と斜交する場合,新たな乱視が出現し,その軸は円柱レンズ軸とも眼の元の乱視軸とも異なる方向をとることは古くから知られ,その現象は円柱検影法に応用されていて,数量的関係はEuler定理1)から求められるので,矯正円柱レンズの軸の方向の狂いによつて生ずる影響の検討に利用してみた。
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