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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科3巻12号

1949年12月発行

綜説

最近の近視諸説の批判

著者: 佐藤邇

ページ範囲:P.514 - P.524

文献概要

 近視の原因論は昔から沢山あり.現在もなお種々論議されている.近視研究の專門家でも簡單にいづれが正しいのか否か判定し難い.判定し難い理由は屈折は角膜,水晶体,眼軸等の3要因の結合した結果であるのに,角膜のみが正確に測定し得て,他の二者は單純には測定し難い所より由來する.
 從來及び現在の近視説の殆ど大部分は屈折決定の3要因を正確に測定したものでない故,如何なる風にでも説明出來る.例えば調節で眼軸が延長するとDoborowolsky (1868)が述べると,逆にGrunert (1934)は調節せぬと眼軸が延長すると主張するが如くで,互に確たる根拠が無いから何とでもいえる.同樣に批判する側も確たる根拠が無いから正否が判定し難いのも当然である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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