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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科3巻7号

1949年07月発行

文献概要

Ⅱ臨床實驗

網膜色素變性症の研究(其6)—網膜色素變性症患者尿によるメラノフォーレン反應に就て

著者: 緖方昇1

所属機関: 1國立熊本病院

ページ範囲:P.276 - P.277

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緒言
 腦下垂體後葉ホルモンを蛙の皮下淋巴腔内に注入すれば,數十分で其の皮膚は黒變する。此の現象をメラノフォーレン反應(以下メ反應と記す)と稱す。然し又此の現象は腦下垂體後葉ホルモン獨特でなく,他の物質例えばヒヨリン,ヒニン,アセチールヒヨリン等でも類似反應が起ると云う。然し武永氏は之等の類似反應と眞のメ反應とを比較鑑別して其の差異を列擧し眞のメ反應は腦下垂體後葉ホルモン特有であると述べた。尿又は血清によつてメ反應を試みた疾患では,疫痢,赤痢,癲癇,食餌中毒,黄疸,前立腺肥大等は陽性を現わすと云う。網膜色素變性症は屡々内分泌異常を思めせる合併症状を呈することがあり,本症患者の血清又は尿に就てメ反應を試る事は興味深いと思う。1938年Cunningham氏は本症患者7例に就てメ反應を試み屡々陽性を現わす事を報じた。
 私はさきに網膜色素變性症患者の血清が蟇の血管及心臟に及ぼす作用を調査したが,更に同一患者に就て其の尿を以てメ反應を檢し興味ある結果を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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