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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科3巻9号

1949年09月発行

文献概要

症例

網膜色素變性症に施したる頸動脈毬剔出の效果に就て

著者: 八十一三1 井街讓1

所属機関: 1兵庫縣立医大眼科

ページ範囲:P.378 - P.381

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 1923年にHeringにより洞神経が発見され,以後Heyman,原田,Boueekaeit等の実驗により洞神経及び頸動脈毬の生理が漸く明らかにされた,即ち頸動脈毬か諸種流血中の化学物質に敏感に反應し呼吸,血圧,脈搏等に変化を來たすことが知られ,化学感受帶として化学物質,内分泌毒素触媒或は酵素等の新陳代謝調節に関與することが生理学者に依り証明された.我々は網膜色素変性症の本態に顧み,之れを治療するに際して,本症と同系統と考えられているTay-Sachs氏病病理に於て血中酸化酵素の欠乏により酸化の行われないこと,血中の鉄不足が証明されこの爲遺傳的に新陳代謝障碍かあることが唱えられ,この結果Neu—rosom. Mitochondriaの変性を來し,神経細胞中の糖原の増加,神経細胞中の滲透圧の上昇と,pHの変化を來すことにより細胞膨化を來し変性に陷ると説明されているが,本症に対して頸動脈毬に外科的侵襲を加えることはHeyman,原田の実驗に徴し大いに意味があると考えたので剔出を行つた.その結果意外の良効を示すものが多かつたので試みた7例に就て今迄の成績を報告し,網膜色素変性症病理を究明する一助にしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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