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特集 第29回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
糖尿病虹彩の螢光血管造影法による観察
著者: 半田幸子1
所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.49 - P.54
文献購入ページに移動緒言
螢光眼底造影法は,Novotny1)が1961年に発表して以来,めざましい発展をとげ,種々の疾患の病態の解明に寄与してきた。健常な網膜血管からは螢光色素であるフルオレスセンは漏出せず,また脈絡膜血管からの螢光は,健常な網膜色素上皮を通過しないという特異性がある。これが網膜および脈絡膜血管の循環動態をしらべる上での基礎となつている。
その後螢光血管造影法は角膜,結膜,虹彩などの外眼部,前眼部にも応用されるようになつた。眼底疾患に対する応用ほどの華やかさはないが,それでもこれによつて新知見が増しつつある。この中で虹彩の螢光血管造影法(螢光虹彩法と略)の所見は,虹彩色素の量の多少のため白人と有色人種との間では大きな差が生じてくる。色素のうすい虹彩では,支質中を走る血管を螢光像として認めることができるが,色素の濃い虹彩では表面の新生血管でもない限りまず観察できないとされている2)。このため,欧米に比してわが国では虹彩血管の螢光造影に関する業績はほとんどないといつた状態である。
螢光眼底造影法は,Novotny1)が1961年に発表して以来,めざましい発展をとげ,種々の疾患の病態の解明に寄与してきた。健常な網膜血管からは螢光色素であるフルオレスセンは漏出せず,また脈絡膜血管からの螢光は,健常な網膜色素上皮を通過しないという特異性がある。これが網膜および脈絡膜血管の循環動態をしらべる上での基礎となつている。
その後螢光血管造影法は角膜,結膜,虹彩などの外眼部,前眼部にも応用されるようになつた。眼底疾患に対する応用ほどの華やかさはないが,それでもこれによつて新知見が増しつつある。この中で虹彩の螢光血管造影法(螢光虹彩法と略)の所見は,虹彩色素の量の多少のため白人と有色人種との間では大きな差が生じてくる。色素のうすい虹彩では,支質中を走る血管を螢光像として認めることができるが,色素の濃い虹彩では表面の新生血管でもない限りまず観察できないとされている2)。このため,欧米に比してわが国では虹彩血管の螢光造影に関する業績はほとんどないといつた状態である。
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