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連載 眼科図譜・228
Congenital Hereditary Corneal Dystrophy (Maumenee)の同朋例
著者: 三宅謙作1 三宅千佳子1 三宅武子1
所属機関: 1眼科三宅病院
ページ範囲:P.1239 - P.1240
文献購入ページに移動比較的所見に特徴が少ないため多くの呼称で報告されてきた。1960年Maumenee1)がレビューを行なつて以来,米国を中心に彼のCongenital hereditary corneal dys—trophyの呼称が多く使用されている。本邦でもKomoto2)以来数例の類似疾患の報告をみるが上記のclinical entityに立つた報告をみない。
Maumeneeのまとめた当疾の臨床像の要約は,(1)びまん性の実質混濁および浮腫--このため角膜は厚みを増し,スリガラス状を呈する。(2)上皮には著しい水泡形成はみとめないが時にbedewingはみる。(3)デスメ膜には著明な変化をみない(この点はMaumenee以外の報告あるいは本号の著者らの報告(1289頁)でも,デスメ膜の不規則な混濁肥厚をみとめるので改めるべきである)。(4)内皮にはcornea gutata等の変化はみず,モザイク模様もみとめない。(5)血管新生を欠く。(6)病巣は通常出生時に存在し,停在性である。(7)眼圧,角膜知覚,角膜径等は正常。視力は0.3ないし光覚。(8)遺伝については優性,劣性両者がある。
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