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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科30巻11号

1976年11月発行

文献概要

総説

オンコセルカ症の現況と問題点

著者: 保坂明郎1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1241 - P.1251

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緒言
 オンコセルカ症(Onchocerciasis,以下オンコ症)は糸状虫類(Filarioidea)の1種であるOnchocerca vol—vulus (以下O.volv.)が,ブユを媒介虫としてヒトに寄生して起こる疾患である。アフリカでは,Riverblind—ness,中米ではRobles病として恐れられている。日本でも家畜のオンコ症は分布しているが,この場合の寄生虫はO.gutturosaやO.cervicalisであつて,O.volv.によるヒトのオンコ症は見られていない。近年,アフリカについての関心が高まつたためかテレビ,新聞などでもRiverblindnessが二,三度取上げられたが,未だ一般には,よく理解されるに至つていないようである。
 ヨーロッパにもヒトのオンコ症は土着していないが,ある程度長く流行地に滞在した主として宗教関係の白人の罹患が報告されている。最近は日本からも発展途上国に海外駐在員としてかなりの人々が滞在しているので,オンコ症を持ち帰る危険性もあるわけである。著者は昨年オンコ症について紹介したので,なるべく重複を避け,この2,3年の新知見に重点を置いて現況を紹介し,問題点を記してみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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