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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科30巻11号

1976年11月発行

臨床報告

Acetazolamide (Diamox)の長期結膜下注射の家兎眼圧におよぼす影響

著者: 木村良造1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1271 - P.1274

文献概要

緒言
 Carbonic anhydrase inhibitorが全身投与により房水産生を抑制し眼圧を下降せしめることはすでに多くの実験的,臨床的研究により確認されている1)。著者ら2)も臨床的にfluorophotometryを用い本事実を確認している。一方局所投与についてはFoss3),Greenら4),東ら5)により試みられたが,いずれも無効とみなされ,その後10数年を経た今日もなお広く承認されている。Have—ner1)はその理由として,赤血球に多量のcarbo—nic anhydraseが含まれている事実をあげている。すなわち,血管豊富な毛様体でcarbonicanhydraseの働きを抑制するためには赤血球のcarbonic anhydraseの働きもともに抑制されなければならず,したがつてそのためにはcarbo—nic anhydrase inhibitorの全身投与が必要となると推論している。しかし,眼圧計も圧入眼圧計から圧平眼圧計,さらには簡便な手持圧平眼圧計へと改良が加えられ,動物実験においても眼圧測定が容易となり,かつ正確性をましてきている現状よりみて,carbonic anhydrase inhibitorの局所投与が無効との結論の上にたつてのかかる推論を行なうより以前に,前提である局所投与の効果の有無につき再検討を要すると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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