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臨床報告
毛様体上皮剥離の症例
著者: 近藤武久1 安積慶子1 前島伸二子1 福味陽次1 千原悦夫1 宮代汎子1
所属機関: 1神戸中央市民病院眼科
ページ範囲:P.1275 - P.1279
文献購入ページに移動毛様体上皮剥離という言葉は,本邦では比較的馴染のない言葉であるが,外国では既に,病理組織学的所見に言及しているKlien1)の報告を始め,Dobbie & Phillips2)の報告や,外傷眼に毛様体上皮剥離を認めているLong & Danielson3),Eisner4),Tasman5)らの報告,更にはWeiden—thal&Schepens6)の動物眼の実験成績など毛様体.上皮剥離に関するかなりの論文がみられる。本邦では1975年竹本ら7)が毛様体上皮剥離の症例を報告し,文献的考察を加えたのが最初のものであり,わが国でもようやく,毛様体上皮剥離に対して関心が持たれるようになつてきたといえる。著者らも最近,竹本ら7)の症例とほとんど同一の臨床所見を呈し,毛様体上皮剥離に網膜剥離を併発した症例を経験した。本症例に手術的療法を加え網膜剥離を治癒せしめたので,今回,その手術療法に焦点を合せ,若干の検討を加えてみたい。
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