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連載 眼科図譜・229
Bowen病の1例
著者: 原田敬志1 渡辺郁緒1 小嶋一晃1 星野元宏1 市川宏1
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1351 - P.1352
文献購入ページに移動Bowen病の報告は,現在までに海外では60数例を数えるが,国内では10例に満たない。われわれの症例は,66歳の女性で最近2年間に結膜充血が強くなり諸種点眼療法に抵抗するため,近医から当科に紹介されてきた。
第1図は,左眼の細隙燈顕微鏡写真であり,左眼角膜輪部を中心として円形に拡大する灰白色膠様組織を示す。この組織は,表面はやや粗く軽度に隆起する。注目に価するのは,表面を走向する新生血管であつて,樹枝状・糸球状・打ち上げ花火状の特異な血管の形態がみられた。そしてこの新生血管は角膜上皮より表層に位置し,ところによっては血管係蹄を形成する。この,一見翼状片に酷似した灰白色組織と健常組織との境界は急峻であるが,境界付近にはわずかな細胞浸潤が観察された。
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