文献詳細
臨床報告
学童期の裸眼視力および自覚的屈折度の変動
著者: 稲富誠1 普天間稔1 林正泰1 下島よし子1 川村緑1 岡崎洋2 木下京子2
所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室 2紀南綜合病院眼科
ページ範囲:P.1387 - P.1397
文献概要
学童期の屈折状態が年とともにどのようにかわるかは重要な題問であるが,これについての報告1〜3)はあまり多くない。著者らはかねてから,軽い近視(自覚的屈折度−1.0D程度)を示した場合や,裸眼視力が0.9以下になつた学童がその後どのような経過をたどるのか,できればその変動パターンを知りたいと考えていた。
著者らは1970年から6年間毎年,和歌山県田辺市近郊地区と周辺部農村地区で学童を対象に眼検診を行なつてきた。今回,このうち1972年在学中の小,中学生の検診データを分析し,さらに3年後の検診結果からこの間の変動がわかつた学童について,裸眼視力と自覚的屈折度の変動パターンを検討した。また少数ではあるが,この中の近視治療経験者についても,その変動を調べ,非治療者との比較検討を行なつた。これらについて前に発表された保谷市4)での資料との比較検討を行なつた。
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