文献詳細
連載 眼科図譜・219
血族結婚による女性罹患者を含むCongenital Retinoschisisの一家系
著者: 内野允1 清水昊幸1
所属機関: 1自治医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.131 - P.132
文献概要
RetinoschisisのうちX染色体劣性の遺伝形式を示すCongenital Retinoschisisは欧米では多数の報告例があるが,わが国における本疾患を有する家系の報告は未だ数少ない。われわれは二世代にわたる4名の患者を有するCongenital Retinoschisisの典型的な一家系を経験した。
この家系の発端者は48歳の男性で,1973年5月15日初診。左眼は28年前に某病院で網膜剥離の手術を受け,初診時には完全に失明状態で光覚も弁じえなかつた。右眼は黄斑部に色素沈着をともなつた変性が認められ,外側方赤道部に第1図に示す巨大な網膜内層の裂孔があり,この内層裂孔の周囲から後極側に黄斑部の外側まで境界の比較的明瞭なRetinoschisisが確認された。
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