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臨床報告
頭蓋咽頭腫臨床像の多様性について
著者: 平岡満里1 藤野貞1 市田忠栄子1
所属機関: 1東京都立府中病院眼科
ページ範囲:P.251 - P.255
文献購入ページに移動頭蓋咽頭腫は,トルコ鞍上の上皮性の腫瘍で胎生期の頭蓋咽頭管の遺残より発生する。本腫瘍は,脳腫瘍の3〜4%を占めるといわれるが,その発生の機転からみで,小児期に症状をあらわすことが多く,14歳以下では9%を占める1)。しかし,頭蓋咽頭腫68例のうち24例は,50歳以上で初発症状をあらわしたという報告もある2)。
われわれは,片眼の中心暗点ではじまつた成人例,頭痛・発熱・片眼視力障害ではじまつた小児例,外傷後のうつ血乳頭ではじまつた幼児例の3例の異なつた臨床像を呈した頭蓋咽頭腫を経験した。
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