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特集 第29回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著
光化学スモッグの眼に及ぼす影響について
著者: 清水敬一郎1 原田万里1 宮田幹夫1 石川哲1 溝口勲2
所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室 2東京都立衛生研究所
ページ範囲:P.407 - P.418
文献購入ページに移動ここ数年来,毎年夏になると,気象条件によつては連日にわたり光化学スモッグの発生が報告され,スモッグによる被害は夏の日常的な出来事の一つになつてしまつた感がある。この被害のうちとりわけ頻度の高いものは,眼に関する症状とされているが,その実態はいまだ十分に解明されているとはいえない。そこでわれわれは1974年5月20日より7月19日までの61日間にわたり,連日大気汚染状況を現場にて測定しつつ,世田谷区立八幡中学校において行なわれた,環境庁の"光化学大気汚染による健康影響調査"の眼科部門を担当したのを機会に,疫学的調査,臨床検診,さらにアクロレインガスによる人眼および動物眼の曝露実験の3方面より,光化学スモッグの眼に及ぼす影響の実態,眼障害の本態の解明を試み,①疫学的に眼障害の存在の確認,②臨床検診における涙液pH,リゾチーム活性の低下,および③動物実験において,角膜表層に形態学的な障害の発生を確認したので,ここに報告したい。
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