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特集 第29回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
17歳男子にみられた眼窩RhabdomyosarcomaとOphthalmoscanによる超音波検査所見について
著者: 大鳥利文1 越智信行1 須田秩史1 橋本重夫2 中尾雄三3 水野薫3
所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室 2近畿大学医学部第2病理学教室 3大阪大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.669 - P.676
文献購入ページに移動眼窩のRhabdomyosarcoma (横紋筋肉腫)は稀な悪性腫瘍であるとされてきたが1〜3),Horn& Enterline4),Porterfield & Zimmerman5),Ashton & Morgan6),Jones, Reese & Krout7)らの報告以来,報告例がしだいに増加し,眼窩横紋筋肉腫は必ずしも稀な腫瘍ではなく,小児の眼窩腫瘍のうちではもつとも多い腫瘍であるとされるようになつている。
わが国ではじめて眼窩より発生した横紋筋肉腫について発表したのは,大杉8)であるとされているが,1960年石倉9)が眼窩付近に発生した横紋筋肉腫の症例を報告するまでは,全く本腫瘍についての報告がみられなかつた。しかし,1960年以後は欧米の本腫瘍についての研究に刺激されてか,しだいに横紋筋肉腫の症例報告数が増加し,現在までの文献をひもとくと,不確かなものを含めると眼窩より発生したものだけで,17例の報告がみられるようになつている10〜28)。
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