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特集 第29回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
水疱性角膜症に対するGundersen法による結膜被覆術の効果について
著者: 北野周作1 東野巌1 竹中剛一1 山田耕司1 塚田良一1 赤松義之1
所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.683 - P.687
文献購入ページに移動水疱性角膜症は単に視力の減退をきたすのみではなく,眼痛,流涙,異物感などの不快な自覚症状に悩まされることが多い。本症の治療には,高張の溶液または軟膏の点眼,眼圧降下剤,角膜表層の焼灼,角膜移植,人工角膜移植などいろいろな方法が試みられており,特に最近ではsoftcontact lensの利用による治療が行なわれている。しかし上記のいずれの方法にせよ,効果が的確でしかも永続的であるとはいえない。1958年にGundersen1)は水疱性角膜症は原因のいかんにかかわらず,眼科医に抵抗する最も悲惨な病状の一つであることを指摘している。そして本症に対する最適の方法としてlamellar keratectomyを併用した結膜被覆術を紹介し,1960年には詳細な術式と本法を実施した症例について報告している2)。その後Dohlman3),Wille-Gφrgensen4),Hvidberg Hansen5),Sugar6),Arentsen7),らの報告があるが,いずれも眼痛よりの解放に主要な目的をおいている。
わたくしどもは,疼痛などの自覚症の軽減のみならず,視力の改善をも図る意味でGundersenの原法に改良を加えた方法で,手術を行なつており,ほぼ満足すべき結果をえているので,ここに報告するしだいである。
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