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臨床報告
蚕蝕性角膜潰瘍の一治療法
著者: 武井洋一1 佐藤裕也2 斉藤武久3
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室 2仙台日赤病院眼科 3山形市立病院済生館眼科
ページ範囲:P.929 - P.932
文献購入ページに移動蚕蝕性角膜潰瘍は,比較的稀な疾患ではあるが,進行性のもので,多くは角膜周辺から中央にまで潰瘍が拡がる予後不良な疾患である。今までにも,いろいろな治療法が行なわれてきたが,本疾患の原因,作用機序が不明なため,治験例も散見されるにもかかわらず,適切な治療法というものは,まだ確立されていない現状である。われわれは今までには潰瘍部の結膜被覆や表層角膜移植,ステロイド療法等を行なつてきたが,いずれも長期間における効果をなずに終つている。
今回,本疾患2症例において角膜潰瘍部の掻爬,周囲結膜の切除,自家血清,cysteineまたはステロイド点眼等を併用した治療を行ない,良好な結果を得た。
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