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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科30巻8号

1976年08月発行

臨床報告

虹彩根部広範切除術

著者: 青池明1 植村より子1 梅津道子1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科

ページ範囲:P.937 - P.940

文献概要

緒言
 Graefeの虹彩(全幅)切除術は百有余年の歴史を経て今なおその価値を保つている有効な手術方法である。ことに急性緑内障には第一選択の術式であり1),慢性狭(閉塞)隅角緑内障にも,虹彩はめこみ術,周辺虹彩切除術とともに有効な術式の第一に挙げられる2)。しかしこの術式の欠点は,術後瞳孔が拡大するため,これに伴う様々の不快な後遺症を残すことである。この術式の効果は,前後房の交通路をつくることと,虹彩根部を切除して隅角の一部を開放する点にある。この目的を達するためには,必ずしも瞳孔縁に侵襲を加える必要はないと考えられる。筆者は,虹彩切除術で切除される部位から瞳孔縁付近を除く(この付近を残存させる)手術法を考案した(第1図)。一見,周辺虹彩切除術と同じように思えるが,一般の代表的手術書による方法では,虹彩根部が十分に切除されないうらみがある1〜4,6)。これでは後に何らかの原因で隅角癒着を起こす可能性も残るので,効果において同様とはいえない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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